進化的アルゴリズムを用いて合成したリカレントニューラルネットワークによるカオスダイナミックスの学習に関して
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概要
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本論文では, カオスダイナミックスを学習可能なリカレントニューラルネットワークを進化的アルゴリズムを用いて合成する一実現手段を提案し, その有効性を検討する. 教師信号として用いるローレンツ軌道は常にカオス的に変化し続ける非周期軌道である. したがって, 教師信号の波形そのものの学習が完了することはない. ここでは, 進化的アルゴリズムにより合成する学習過程のリカレントニューラルネットワークの出力が, 不動点, リミットサイクル, ローレンツアトラクタと変化することを計算機実験により検証する. すなわち, 進化的アルゴリズムにより合成したリカレントニューラルネットワークが, カオスの隠れた秩序を学習できることを示す. 現段階では, Back Propagation Through Time (BPTT)アルゴリズムを用いた場合と比較して, 収束性, 再現性ともに劣っている. しかし, 動的かつ複雑な問題を対象として, 進化的アルゴリズムの学習能力を探るうえで貴重な実験結果であると考える. 今後, 遺伝的操作の適用方法およびパラメータの設定などに関して引き続き検討を行いたい.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-11-15
著者
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