遺伝的アルゴリズムを用いた光アクセスネットワークの設計法
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概要
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光分岐素子を用いることにより1本の光ファイバを複数の加入者が共有するように構成される光アクセスネットワークが次世代の光通信の基盤技術として検討されている. このネットワークの設計では, 光分岐素子の設置点(光ファイバ分岐点)と光ファイバケーブルの心線数が逓減する点(逓減点)の配置(数と位置)を, ネットワークのコストが最小になるように決める必要がある. 本論文では, この設計に遺伝的アルゴリズム(GA)を用いる方法を提案する. まず, 光アクセスネットワークのコストを光ファイバ心線, 光ファイバ心線の接続, 光分岐素子のコストの合計として算出するためのモデルを明らかにする. 次にGAの構成方法として, ネットワーク形状を反映したツリー構造の染色体表現を用い, 光ファイバ分岐点と逓減点の設置パタンを交叉および突然変異(光ファイバ分岐点と逓減点の発生, 消滅, 交換)させることによりコスト最小のネットワーク構成を求める方法を明らかにする. また計算機実験により実規模のネットワークの最適設計例を示すとともに, 計算時間も短く実用的に間題がないことを示す. 最後に, GAのパラメータの設定方法についての検討結果を述べる. ここでは, 8種類のネットワークと約700種類のGAのパラメータの組合せについて検討し, すべてのネットワークモデルに共通する最適なGAパラメータの組合せのあることなどを明らかにした.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-12-15