コンピュータ・アーキテクチャについて
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概要
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コンピュータ・アーキテクチャについてという題目で,ここでは,現在までのアーキテクチャの変遷から学ぶべきこと,LSI技術の進歩等の要因による今後のアーキテクチャの方向を話題の中心とします・アーキテクチャという言葉は,IBM社のシステム360が生まれたときに,IBM社で使用されはじめました.簡単に言えば,プログラム側から見たコンピュータの性格であるという定義です.しかし,このように定義しますと,例えば,現在大型計算機で広く用いられているキャッシュ・メモリ(バッファ・メモリ,ローカル・メモリとも呼ばれる)は,必ずしもインストラクションとかfeature とかfunctionという意味ではプログラムから見えないにもかかわらず計算機全体の動きには大きな影響を持っています.ある種のプログラムでは,キャッシュ・メモリをつけてもあまり能力が上がらないのに対し,例えば,科学技術計算の小さなループを描くものでは,キャッシュ・メモリの効果は絶大です.このように,狭義のプログラムからアーキテクチャをとらえるのは的確ではないようです.そこで,ここでは,より広い意味でアーキテクチャを考えて見たいと思います.前に,キャッシュの問題を上げましたが,マルチプロセッサについても,現在広く使用されてる対称形のプロセッサ構成では,少なくとも処理プログラムあるいは使用者プログラムからはプロセッサの構成は見えないのに対して,ターンアラウンド・タイム,スループットの点ではプロセッサの構成には大きな関心が持たれております.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1975-03-15