「多態実行環境」: 高級言語の制御機械の高性能実現法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
高機能ワークステーションは人工知能, プログラム作製, CADなどに使われる. 最近の一つの傾向として全システムが単一言語で記述してある. LISPマシン, Smalltalkマシン, Prologマシンなどがこれである. このように全システムを単一言語で記述すると開かれたシステムとなり, ユーザが簡単にカスタム化できるCADシステムなどが可能となる. しかし, このように全システムを単一言語で記述するためには言語がオペレーティング・システムを記述する機能を持っていなければならない. コルーチン, プロセスとか, 実行環境をデータとして扱ってデバッガを作る機能である. これらを言語に取り入れる手段として実行環境を複雑に扱わざるをえない. InterLispではスパゲッティ・スタック, LispMachineLispではスタック・グループを導入した. 一方Smalltalk-80では実行環境をオブジェクトとして扱っている. これは強力であるが実行速度には問題があった. 筆者たちは, 高速実行のときは線型スタックに実行環境を作り, 複雑な制御をするときはヒープに実行環境をとる, 多態実行環境というデータ構造を考案し, Smalltalk-80の高度柔軟性を保ちながら, 高速に実行できるシステム「菊32V」を開発した. これは現在, 32ビットのインタプリタとしては世最高速である.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1985-11-15
著者
関連論文
- 特集「日本におけるオペレーティングシステム研究の動向」の編集にあたって (日本におけるオペレーティングシステム研究の動向)
- 今後10年間のコンピュータ・サイエンスの研究
- パネル討論会 : 第5世代コンピュータ・スーパコンピュータが商用コンピュータに与えるインパクトについて
- 「多態実行環境」: 高級言語の制御機械の高性能実現法
- 三四郎プロジェクトにおけるシステム・ソフトウェア (高機能ワークステーション)
- 高機能ワークステーションについて (高機能ワークステーション)
- 通信網の変革と情報処理 パーソナルコンピュータ・ネットワーク (通信網の変革と情報処理)
- 39. VLSI CADへの計算幾何学の応用 (アルゴリズムの最近の動向)
- プログラムの正当性を機械的に証明する一方法 (プログラムの基礎理論)
- 古典線形論理のプログラミング言語への応用
- OZ+の多言語インターフェース
- オブジェクト指向プログラミングのハードウェア・ファームウェアサポート (オブジェクト指向プログラミング)