(1)北海道におけるキュウリ褐斑病の発生と越冬
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概要
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平成13年6月,北海道空知管内のキュウリ栽培ハウスで,葉に褐色の斑点が生じ,次第に病斑が伸展し葉全体に拡がり黄化・萎ちょうし,やがて株全体が枯死する病害が発生した.罹病葉より分離した菌の分生子は倒棍棒状または円筒形,無色〜淡褐色・褐色,孤生または連鎖し,大きさは32-216(113.5)μm×9-20(16.0)μm,偽隔壁は1-17(7.0)個,分生子柄は直立・単生,淡褐色〜褐色,大きさは80-520μm×5-10μm,隔壁は1-8個であった.本菌の生育適温は28℃であった.接種試験によりメロン,ヒョウタン,カボチャ,トウガン,トマト,エンドウに病原性が認められ,キュウリでは病徴が再現された.以上より,本病をCorynespora cassiicolaによるキュウリ褐斑病と同定した.発生ハウスでは翌年も発生が認められ,またモデル試験により罹病残渣および土壌中で本菌は越冬後も生存していることが示唆され,本道で越冬可能であると考えられた.平成14年現在,空知支庁管内の1市1町4戸および上川支庁管内の1町1戸で本病の発生が確認されている.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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