(64)植物トランジェント発現系を利用したブロモウイルス複製酵素の解析
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概要
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Cowpea chlorotic mottle virus(CCMV)は互いに近縁なブロモウイルスである.ブロモウイルスのRNA1と2にはそれぞれウイルスRNA複製酵素の構成成分である1a,2aタンパク質がコードされている.Nicotiana benthamianaのプロトプラストにおいて,BMVやCCMVではRNA2をSBLVのRNA2と交換してもウイルスRNAの蓄積が認められるが,RNA1の交換では認められない.この原因のひとつとしてRNA1またはRNA2の非効率的な増幅による1aまたは2aタンパク質の低レベルの発現が考えられた.本研究では植物トランジェント発現ベクターを用いて,RNA1とRNA2の増幅とは独立した機構で1a,2aタンパク質を発現させ,それらのRNA3増幅活性を調べた.その結果,RNA1とRNA2の交換可能な組合せでの発現系ではRNA3が蓄積した.一方,交換のできない組合わせでは本発現系でもRNA3が検出されなかったことから,この非親和性は複製酵素の低発現量が原因ではなく,機能的な複製酵素か形成できないためであると考えられた.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
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