保育サービス供給の変化とその利用構造 : 「横浜保育室制度」導入後の横浜市を事例に
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概要
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近年わが国では,国や地方自治体が主な供給母体となっている社会福祉サービスへの民間参入の議論が盛り上がりをみせている.しかし現在日本において,社会福祉サービス供給への民間参入を議論する上で,サービス受給構造をミクロレベルの具体的事例を用いて明らかにした研究は少ない.本研究は,自治体独自の制度により民間部門に保育サービス供給の門戸を開放した,横浜市の「横浜保育室制度」を事例に,実証的見解を示すものである.制度によって認定された横浜保育室は,(1)認可保育所の定員数が少ない地域に立地し,鉄道駅周辺での立地が目立つ,(2)制度の基準により一定の安全性が確保されている一方,保育時間・保育開始年齢などの利便性は,認可保育所よりも高い,(3)横浜保育室は企業・個人・地域住民での共同運営をはじめ多様な主体によって運営されており,「横浜保育室制度」導入後は企業によって設立される施設が多い,といった特徴がある.また横浜保育室利用世帯は,認可保育所利用世帯よりも,(1)三世代同居世帯でない一人親世帯が少なく,世帯所得が低い世帯が少ない,(2)利用の仕方として,登園時刻・退園時刻ともに多様である,(3)「スタッフの人柄」,「保育時間」を重視して入所施設を選択し入所を決定している,といった点が指摘された.
- 経済地理学会の論文
- 2002-06-30
経済地理学会 | 論文
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