アジアの時代における日本の国土政策 : 次期全国総合開発計画の策定をめぐって
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概要
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戦後50年, 21世紀を迎え, 我が国の国土政策の本格的な見直しの時期にはいった. 本稿では, 一般にブラックボックスとみられている霞が関での国の政策策定過程について分析する「政策科学」の一環として, 次期全国総合開発計画の策定に深くかかわってきたものとして, その過程を解明するとともに, 現在検討中の次期全総計画の草案の論点を整理し, その課題を指摘する. 全総は, 国土庁の計画・調整局が所掌し, 国土審議会が調査・審議にあたる. 審議会には, 計画部会および専門委員会が設置される. 次期全総の内容をつくるために, 多数の専門的研究者による多面的検討が95年初頭からはじまり, 95年12月に『21世紀の国土のグランドデザイン』という草案が発表された. ここでは, 21世紀の国土政策のあり方を根本的に問い直すとともに, 「地域間の機会均等の確保」をベースにした「地域の自立と連携」が大胆にうちだされた. アジアの成長による空洞化の危機, 地球環境問題の深刻化, 人口減少・高齢化, 高度情報化と生活の質の向上という時代の大きな変化のなかで, 地域に技術革新の風土を定着させ, みずから自然の保全・創出をはかるとともに, アジアとダイレクトに連携するという自立・連携型国土の創造である. その戦略的政策課題として, 国土軸, 地域連携軸, 広域国際交流圏構想が提起されている. その内容と問題点を指摘する.
- 経済地理学会の論文
- 1996-12-31
著者
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