東京とアジア・環太平洋諸都市とのネットワーク
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概要
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本論は東京とアジア・環太平洋諸都市とのネットワークを考察し, つぎの5点をめぐって討論した. (1)世界都市論の第3世界都市と地域開発の分野における位置づけの整理を図った. すなわち, 世界都市論は, 周辺の第3世界の都市と中心の世界都市との複雑な関係や経済メカニズムを重視したネットワーク構造を提示した仕組みであり, 一部国家の国家開発政策では, 従来の首位都市の制限論や, 国土地域均衡論を一時取り下げ, 他国の大都市との国際空港整備やビジネス環境整備の競争に力を注いでいる. (2)フリードマンの世界都市論の柱として多国籍企業の組織及び活動のネットワークを切り口として, 日本企業のアジア地域進出の実況及び空間パターンをみると共に近年華人資本の重要さを指摘した. (3)世界都市論のもう一つの柱である世都における貧富二分化としてアジア主要都市の外国人労働者の実況を把握して, 特に女性出稼労働者の活躍を言及した. (4)シンガポールを始め, 香港, ソウル, 上海, 台北のような「準世界都市」の世界都市化戦略を探った. 最後に, (5)文化や考え方の視点を取り入れてみた. アジア諸都市や地域の市民が戦後50年現在, 首都東京を含めた日本に対する観点や期待は, 「サプライヤー」, 「アブソーバー」, 国際枠組の形成などであり, 東アジアの持続的な発展に大きな役割が期待されていると結論づけられた.
- 経済地理学会の論文
- 1995-12-31
経済地理学会 | 論文
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