944. 南部阿武隈山地, 高倉山層群からのペルム紀有孔虫類
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概要
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阿武隈山地南部, 高倉山層群元村層下部の含石灰岩レキ岩から74タクサの有孔虫類を識別した。このレキ岩層中に見られる石灰岩レキはその岩相と含まれる有孔虫類によってタイプIa, Ib, Ic, IIa, IIbの5種類に分けられる。タイプIに属する石灰岩レキは砕屑物質を含まないpure limestoneで, Chalaroschwagerina vulgaris (Schellwien), Pseudofusulina fusiformis (Schellwien), Toriyamaia laxiseptata Kanmera, Minojapanella (M.) elongata Fujimoto and Kanuma, Misellina (Brevaxia) sp.等の前期ペルム紀のYakhtashianから前期Bolorianを示すフズリナ類が含まれている。一方, タイプIIの石灰岩レキは少量の火山砕屑物を含むimpure limestoneで, タイプIIaからはYangchenia cf. iniqua Lee, Pseudodoliolina cf. ozawai Yabe and Hanzawa, P. aff. pseudolepida (Deprat)が, タイプIIbからはWutuella cf. wutuensis (Kuo), Minojapanella (M.) parva Sheng, Lantschichites? sp.が識別された。これらタイプIIa, タイプIIbの示す時代はそれぞれ前期Murgabian, 後期Murgabianと考えられる。さらに, このレキ岩の基質中からは後期Murgabianを示すColania sp.が発見された。高倉山層群はこれまで主に柏平層から産出する頭足類によって中期ペルム紀の前期Guadalupianとされていた。今回, 元村層レキ岩中のタイプIIbおよび基質中より後期Murgabian(後期Guadalupian)を示すフズリナ類が発見されたことにより, 高倉山層群の時代も中期ペルム紀後期(後期Murgabian)と考えることができる。本論ではこれら有孔虫類のうち1新属(Quasireichelina), 4新種(Codonofusiella abukumaensis, Dunbarula planata, Quasireichelina expansa, Neodiscus mirabilis)を含む19種(フズリナ類18種, 小型有孔虫類1種)を記載する。
- 1992-12-30
著者
-
上野 勝美
Institute Of Geoscience University Of Tsukuba
-
Ueno K
Institute Of Geoscience University Of Tsukuba
-
Ueno Katsumi
Institute Of Geoscience University Of Tsukuba
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- 西南日本,帝釈石灰岩層群の中-上部石炭系紡錘虫類〔英文〕