831. 日本新第三系産 Tetracentron 葉化石
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概要
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無導管被子植物として有名なTetracentron化石について検討し, 後期中新世の長野・群馬県境の本宿層産のTetracentron ibei Suzukiと岩手県雫石盆地の桝沢層産のHovenia masuzawaensis Muraiとを同一種のT. masuzawaenseとして再記載した。岐阜県美濃白鳥北方の後期鮮新統と考えられている阿多岐層からは, 世界で最後期と考えられるTetracentronの葉化石を見いだした。現在中国中部からネパールの温暖帯林に生き残っているTetracentronの仲間が, 始新世までは日本と北アメリカの低地の熱帯林から暖温帯林の一員として, 後期中新世には日本の冷温帯林の下部に, そして後期鮮新世には日本の山間の純冷温帯林のメンバーとして生育していたと考えられる。
- 1987-07-30
著者
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尾崎 公彦
Department of Geology, Faculty of Education, Yokohama National University
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尾崎 公彦
Department Of Geology Faculty Of Education Yokohama National University