740. 現生頭足類顎器との比較研究によるテトラゴニテス科アンモナイトの顎器
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概要
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北海道・樺太の白亜紀チューロニアン〜マーストリヒシアン階産の石灰質ノジュール中に保存されたTetragonites glabrus, Gaudryceras denseplicatum, G. tenuiliratum, G. sp.の顎器の形態と鉱物組成を記載した。これらの顎器は, 外ラメラ・わい小化した内ラメラと石灰質の嘴状部より構成されている。前者はカーボネイトアパタイト, 後者はカルサイトよりなり, 現生頭足類の顎器と比較検討することによって, それぞれキチンとアラゴナイトより置換されたと考えられる。石灰質嘴状部は, 内部構造・鉱物, 化学組成から, 現生オウムガイ類のリンコライト(上顎)・コンコリンク(下顎)に酷似する。これらの資料に基づいて, テトラゴニテス科アンモナイトの顎器と口球の一部を復元した。これらのアンモナイトの顎器は, オウムガイ類よりがん丈で, 住房部の大きさに対する顎器の大きさの比はより大きい。この事実は, テトラゴニテス科アンモナイトがオウムガイ類と類似の食生活をしていたことを示唆する。
- 1982-04-15
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