新卵巣刺激法(bromocriptine-rebound method)による子宮着床能の改善とその機序
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概要
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新卵巣刺激法bromocriptine-rebound法(BR法)は,卵成熟と胚発育を改善し,妊娠率を増加する。本研究はBR法の子宮着床能に対する改善効果とその機序を検討した。Long法(L法)体外受精で不成功の症例に対し,反復体外受精でL法またはBR法を用いた。BR法の卵成熟改善効果を除いて子宮着床能への効果を検討するため,2個以上の良好胚を移植した症例のみとした。胚移植あたりの臨床妊娠率と継続妊娠率はL法(27%,20%)よりBR法(43%,39%)で有意に高かった。体外受精10日後の血清prolactin(PRL)とprosesterone値は,BR法で高い傾向が示唆された。体外受精14日後の子宮内腔液PRL値は,L法よりBR法で有意に高かった。自然周期黄体期の子宮内腔液PRL値が13ng/mlを超えた症例は,その後の体外受精でその60%がL法で妊娠したが,BR法では妊娠しなかった。逆に13ng/ml以下の症例は,その40%がBR法で妊娠したが,L法では妊娠しなかった。マウス胞胚の体外着床実験では,培養皿への付着面積がPRL添加により有意に増大した。BR法は子宮着床能を改善し,その機序は子宮内腔PRLの増加による胚発育の促進と示唆された。
- 2003-06-30