テナガツノヤドカリの鉗脚の多型現象について
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概要
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九州北西部・天草諸島で採集されたテナガツノヤドカリDiogenes nitidicanus TERAOにおいて,オスの大鉗脚に多型が見られた。幅広い掌部を持ちその表面が多くの小棘や顆粒で覆われるタイプと,幅の狭い掌部を持ちその表面が不規則な小顆粒で覆われるタイプとがあり,後者の特徴は,TERAO(1913)・MIYAKE(1978)におけるテナガツノヤドカリD.nitidimanusの記載と良く一致した。またこれらの中間タイプも,多く見い出された。成体のサイズと,鉗脚のタイプとに関連があると思われたが,今後の課題となった。
- 日本甲殻類学会の論文