子宮体癌の術前進行度評価におけるMRIの役割
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概要
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MRIでは,子宮体癌組織がT_2強調画像でhigh intensityに描出され,子宮筋層など正常組織と識別できることより,その進行度の評価が可能である。本研究では152例を対象に,癌の体節筋層浸潤評価と子宮体部外進展検出の精度,さらにそれに基づくMRI stagingの精度について検討を行った。MRIによる子宮体節筋層浸潤の適正,過小,過大の診断の割合はそれぞれ,内膜限局66.7%, 33.3%,0%,浸潤1/2以内91.1%,0%,8.9%,1/2を超える70.2%,27.7%,2.1%,〓膜におよぶ89.0%,0%,11.0%であり,全体としての正診率は87.5%であった。癌の子宮体部外進展のsensitivityとpositive oredictive valueは各々,徑部同質浸潤92.9%,92.9%,子宮〓膜浸潤88.9%,88.9%,病的腹水80.0%,100%,骨盤腔内転移58.8%,100%,リンパ節転移47.4%,90.0%,腹腔内転移0%,0%であった。MRI stagingの正診率は70.4%であり,過大評価が5.9%,過小評価が23.7%で起こっていた。MRIによってIII期以上であるとの術前診断が可能であったのは31例中19例(61.3%)であった。術前に把握できない子宮外進展の存在はMRI I b期以下の4.3%に対しMRI I c期では24.2%と有意に高頻度であった(p<0.05)。
- 杏林医学会の論文
- 2003-12-30