PCR法を用いたシマハイエナ(Hyaena hyaena)の性判別
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概要
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食肉目ハイエナ科に属するシマハイエナ(Hyaena hyaena)について, Polymerase Chain Reaction(PCR)法を用いた性判別法の開発を試みた。検体にはシマハイエナの白血球および毛根を使用した。性決定遺伝子Sex-determining region Y(SRY)領域を増幅するプライマーを用いてPCR法を行ったところ, いずれの検体についても雄のみに214bpのSRY領域と考えられるDNAバンドが検出され, 雌では検出されなかった。したがってSRY領域はシマハイエナにおいても雄のみに特異的に存在することが明らかとなった。さらに検出感度の検定を行ったところ, 白血球を検体とした場合には推定細胞数100個以上で, 毛根を検体とした場合には体毛1本以上でそれぞれ検出可能であった。以上の結果より簡便かつ高感度である本法は, 今後シマハイエナに対する実用的な判別法として適用可能であると考えられる。
- 日本野生動物医学会の論文
著者
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吉田 光敏
鹿児島大学農学部
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番場 公雄
岐阜大学大学院連合農学研究科(静岡大学)
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高見 一利
静岡大学農学部応用生物化学科
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高見 一利
大阪市天王寺動植物公園事務所
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吉田 光敏
岐阜大学大学院連合農学研究科(静岡大学)
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吉田 光敏
鹿児島大学農学部家畜繁殖学教室
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