中米自動車合弁・北京ジープ有限会社の技術改造
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概要
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BJCは中国の自動車メーカーと米国企業の合弁会社であり,中国の改革・開放後の自動車産業最初の合弁企業である.合弁企業の前身は北京汽車製造廠である.北京汽車製造廠は自動車修理,部品製造の段階を経過して,1960年代後半から自動車生産を開始し,改革・開放までに中国の二番目の生産能力を持つ自動車メーカーであった.製品技術面は西ドイツ,米国,ソ連の乗用車を模倣して,製品のBJ212ジープを開発した.製造技術の面は長春第一汽車製造廠の指導で大量の専用設備を設計,製造して,生産ラインなどの自己設計,製造も実現した.しかし,中国の「自力更生」期には北京汽車製造廠は製品技術と製造技術が立ち後れた.更に,資金も不足し,設備が老朽化していたので,自力による発展は困難であった.改革・開放後,北京汽車製造廠と米国のAMC(87年以後はクライスラー)社は合弁の形でBJCを設立した.AMC投資の一部は800万ドル相当の特許,技術などの「工業所有権」であり,これは合弁期間中のBJCが米国側の技術,新車種および改良技術を導入する際,技術使用料は別に要らないを意味する.BJCはAMCの製品技術を導入して,旧式車種のBJ212に4回のマイナー・チェンジをし,新車種のチェロキーの生産をしている.技術改造後のBJ212型車は継続に販売し,BJCの成長を相当程度支えている.新車種のチェロキーの国産化を実現するため,BJCは中国中央政府と北京市政府の協力によって莫大な資金を調達して,大規模な設備投資をした.95年には年間自動車10万台,エンジン10万基の生産能力を形成して,北京市のモデル合弁企業,中国の重要な自動車メーカーに成長した.
- 1999-03-31
著者
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