The History of Risk Management and the Future of Risk Management in Japan
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概要
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リスクマネジメントの理論を最初に経営学に導入したのは,フランスのH.ファヨルである(1916)。ドイツでは第一次大戦後,ライトナーによって,インフレ・スパイラルを克服するための経営手法として,リスクマネジメントが説かれた。また,アメリカでは1929年の大恐慌から企業が立ち直るために設立されたAMAの中に,保険を研究するための保険購入者協会が誕生し,これが後にRIMSとなり,リスクマネジメントの研究団体に発展した。東洋においても,紀元前500年に釈迦が人生の苦として,四苦八苦を説き,これらから解脱するための手法として諦観することを訓えた。わが国におけるリスクマネジメントは,東洋の諦観思想と西欧の権利義務思想のミックスの上に成り立っている。さらにZタイプの日本企業においては,従業員全員がリスク・マネジャーとしての自覚をもつので,企業内にリスク・マネジャーという職責を置く必要がない。かくして,わが国においては,今後も日本独特のリスクマネジメントの形態が展開されることと思われる。
- 2004-02-17
著者
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