企業情報の透明性向上への取り組み : タイとマレーシアの比較
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概要
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東アジアの中で比較的資本市場の整備が進んでいるタイとマレーシアにおいて、どのように企業情報の透明性向上に取り組んできたのかを探った。両国の共通点としては、(1)単独の証券当局が証券行政を担っていること、(2)国内の会計基準を国際会計基準に沿って整備してきたこと、(3)証券発行の当局承認に際して、主観的な判断に基づく手法から開示された情報に基づく客観的な手法に移行したことなどが挙げられる。一方、両国の違いとしては、(a)マレーシアでは会計基準に法的裏付けがあるのに対し、タイではそれがないこと、また、(b)証券当局の法的執行力、罰則規定、(c)会計監査の信頼性と独立性に対する問題意識、および、(d)証券発行企業内部のガバナンス強化の仕組みの面において、マレーシアの方がタイのそれらより強いこと、が挙げられる。こうした認識を踏まえつつ、両国の今後の課題をも論じた。
- 2004-03-29
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