現代日韓両国語における漢語の形成と語彙交流
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概要
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本稿は,日本語と韓国語における漢語が明治以降どのように形成されたのかを語彙交流と関連して巨視的に考察したものである。(1)日本語と韓国語における漢語の急増現象は,辞書を基準にすれば,日本語では1909年まで,韓国語では1931年までに顕著である。(2)それとともに日韓の共出現漢語も同様に急増し,日韓語彙交流の初期には共出現漢語より高かった非共出現漢語の割合は,時代がくだるにつれ低くなる様子が見られる。(3)増加した共出現漢語の多くは,日本製漢語と中国製新漢語であり,共出現漢語の増加に最初(日本語は1886年まで,韓国語は1911年まで)は中国製新漢語が,それからは日本製漢語が影響を与えたことがわかった。(4)語彙交流によって韓国語に入った日本製漢語は約20年後の韓国語の辞書に出現するようになる。
- 2003-07-01