近世後期上方における連用形命令法の出現について
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概要
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近世後期の上方に現れる動詞連用形そのものによる命令法,所謂連用形命令法について様々な角度から考察を加える。まずその概観と再定義を行い,「お」を冠した語形(ex.「お行き。」)をこれに含めるべきでない事を述べる。次いで何故遊里で,しかも命令表現で登場したのか等といった社会的要因について述べた後,形態面での成立過程について考察を進める。これまで「なされ」の省略であるとか,「行きる」のような所謂一段化動詞の命令形である等とされてきたがこれらの説の問題点を明らかにし,より妥当な成立過程として「一段動詞(特に上一段)の命令形イ形の主流化からの影響」を考える。
- 2003-04-01