本居宣長『字音仮字用格』の基礎 : 「喉音三行辨」の本質
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概要
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本稿の主題は『字音仮字用格』の冒頭に位置する「喉音三行辨」を分析することである。第一に,「喉音三行辨」の理論的位置を明らかにする。第二に,「喉音三行辨」の理解に必要不可欠な二つの図表を分析する。解釈の骨子は次のやうになる。宣長は喉音三行をまづ区別して,それを「喉音三行分生図」により表現する。そして,その区別した三行を関係づけるために「軽重」の概念を導入し,その関係を「喉音軽重等第図」により表現する。特に,その「軽重」の概念が雅楽の「唱歌」に着想を得たものであり,それが音の高低を意味すること,即ち「いえあおう」と高音から低音へといふ序列をなすこと,を述べる。
- 2002-04-01
著者
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