特集のねらい(<特集>慢性疼痛治療における医療機器の現状と展望)
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概要
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慢性疼痛は難治性で, 神経ブロック療法, 薬物療法などに加えて, 機器を用いた治療法が必要となることも多い. それらの一部は侵襲性が低く比較的簡単な手技による治療法であり, また, 一部は手術室において麻酔下に操作したり, 体内に留置する機器を用いた, 周到な準備を必要とする治療法である. したがって, 機器を用いた治療法にも, 治療の初期から施行するものもあれば, いかなる治療にも反応しない症例に対して最終的に行う治療法もある. 本稿では, 6名の先生方に, 慢性疼痛治療に用いる機器の説明と使用法, 適応や合併症などについて解説していただいた. 北摂総合病院の稲森耕平先生には, イオントフォレシス, TENS, SSPについて説明していただいた。これらはいずれも皮膚に機器を装着して行うもので, 侵襲性がほとんどない治療法であるが, 適応をよく知りたいところである. 駿河台日本大学病院麻酔科の佐伯茂先生には光線療法機器について書いていただいた. 光線療法機器には数種類あるが, それらの使い分けや照射法のコツがわかれば非常に参考になる. NTT東日本札幌病院麻酔科の本間英司先生には高周波熱凝固装置とペインクリニックでの応用ということで執筆いただいた, 神経破壊薬に比較して安全に施行できるが, 詳しい施行法や効果について知りたいところである. 東京大学医学部附属病院麻酔科、痛みセンターの菅原正秋先生には鍼通電療法に用いる機器について述べていただいた, 施行内容の理解を深めたい. 自治医科大学麻酔科の五十嵐孝先生にはエピドラスコピーに用いる機器について解説いただいた. 本機器は, 高度先進医療としての使用が最近認められた. 機器の改良を望むところである. 日本大学医学部脳神経外科の片山容一先生には脳深部刺激装置, 脊髄硬膜外刺激装置について執筆いただいた. 侵襲が大きく, しかも機器を体内に長期にわたり留置することとなるので, 適応や問題点を把握したい. いずれもある程度はわれわれも知識のある機器であるが, さらに詳しく, ここが知りたい!時に参考になれば幸いである.
- 2005-03-01
著者
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