病院や高齢者施設で有効な自動収尿装置の開発

概要

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〔はじめに〕在宅介護をはじめ病院や高齢者施設において,夜間の排泄処理は介護者の大きな負担となっている.在宅介護者は,慢性的な睡眠不足や過労が生じ,病院や施設では看護師の人材確保を難しいものとしている.これまでに,寝たきりで介護が必要な在宅被介護者向けに,装着式自動収尿器を企業と共同開発し,商品化することができた.さらに,車椅子で使えるポータブル式の障害者用収尿器も試作品が完成した.超高齢社会に向かいつつある現在,施設介護は重要な介護対象である.しかし,これまでの収尿器は,施設で多くの人達が快適に生活するためには,騒音の低減や排尿の下水処理等が未解決であった.〔開発方法〕収尿器に関して,排泄処理システム(特許第3020005号)等3件の原理特許を取得したが,特許に示した動作を実証するために,複数個の収尿器を同時にコントロールする技術や機構上の干渉問題,大便の検知・通報等に研究課題があった.そこで,(1)尿と大便を受けるレシーバの作成.(2)大便の検知に開する実験.(3)尿の吸引に関する実験.(4)通報に開する実験.(5)集中管理構造と動作に関する実験等を行った.〔開発結果〕次のような特徴を有する装置を試作した.(1)尿を自動吸引し,大便は検知通報する.(2)装着式レシーバは常時微少の空気を吸引していて蒸れない.(3)排尿はエアセンサで自動検知・自動吸引する.(4)3人用1ユニットとして動作する.(5)大便・排尿回数および排尿量を把握する.(6)騒音発生源を室外に設置し,施設でおむつに代わる排泄処理装置を試作した.つまり,排尿を全自動処理し,排便は検知通報により人的介護を行う.この結果,被介護者は排泄時の不快感から解放され快適性が向上し,介護者は,スキンシップに集中できる.なお,大便検知と集中管理構造については,さらなる改良が考えられる.
日本医療機器学会の論文
2003-04-01

病院や高齢者施設で有効な自動収尿装置の開発

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