テレメータ送信機用シールドポシェットによる携帯電話対策

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携帯電話から出る電磁波によって,多くの医療機器が障害を受けることはよく知られるところであり,当院でも,不要協の指針にのっとり,携帯電話の使用制限を実施している.その中で,通常医療機器がないロビーでの携帯電話の使用は認めているが,その場合,輸液ポンプならびにテレメータ送信機を使用している患者が来る可能性もあり,その対策を検討する必要がある.輸液ポンプに関しては,携帯電話による影響を全く受けない機種を現在当院では使用しており問題ないが,テレメータ送信機に関しては,すべての機種で携帯電話による影響を受けることが分かっており,何らかの対策が必要であると考えていた.そこで,同じ携帯電話対策として体外式ペースメーカ用に開発され,その有用性が確認されている銀メッキナイロン繊維製シールド布を用いた携帯用袋(シールドポシェット)とほぼ同様のものをテレメータ送信機用に試作し,携帯電話の電磁波に対するシールド効果について検討を行った.その結果,このシールドポシェットが当院で使用している3社5機種の送信機すべてについて十分なシールド効果が得られることが,今回,携帯電話による電磁波干渉実験で分かった.当初,テレメータ送信機自体も1mW程度の電磁波を放射しており,これへの影響が危惧されたが,送信機のアンテナは電極コードが兼用しており,シールドポシェットの外に出ているため,テレメータの送受信機能への有意な影響は見られなかった.現在,このテレメータ送信機用シールドポシェットの臨床使用に向け,実用化を検討しているところである.
日本医療機器学会の論文
2003-04-01

テレメータ送信機用シールドポシェットによる携帯電話対策

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