シリンジ方式輸液ポンプにおけるディスポーザブルシリンジの摺動性に関する検討
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概要
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〔はじめに〕患者の静脈や動脈や輸液や薬液を投与する輸液管理に輸液ポンプが不可欠となっている.これを使用することで,従来の静圧点滴法では困難であった微量点滴や長時間安定した持続投与が容易になった.またカテコラミン等の高濃度薬剤の微量注入において使用するシリンジ方式輸液ポンプ(以下シリンジポンプ)は流量精度数%以内と安定性に優れる機器であり,医療現場では欠かせない機器の一つである.しかし機器の精度が安定していても実際に使用するディスポーザブルシリンジ(以下ディスポシリンジ)のゴム部の性質・形状・大きさ等により摺動抵抗が変化し流量安定性に影響する可能性が高い.今回われわれは,ディスポシリンジの摺動性,注入精度について検討したので報告する.〔方法〕ディスポシリンジ各4社(A,B,C,D),サイズ20ml,50mlに延長チューブを接続し,シリンジポンプTE331(テルモ社製)を使用し,ポンプテスターIDA 4PLUS^【○!R】(Biotek社製)にて脈動変化・注入精度を分析した.注入流量1.0ml/hrで5時間・5ml/hrで2時間,テスターが注入を感知した時点から自動計測を行った.〔結果および考察〕シリンジサイズが大きいほど,また時間あたりの注入量が少ないほど注入精度および脈動の変化に大きく影響した.また各メーカにより設定流量まで到達する時間的誤差が大きく違った.これはシリンジゴム部の接触面積,シリンジ内部に塗布してある潤滑剤の材質・塗布量によって摩擦が変動し影響すると考えられる.注入量のわずかな変動でも影響する高濃度薬剤を使用する場合には,十分に注意して使用する必要性がある.〔結語〕ディスポシリンジの注入精度,脈動変化について検討した.結果として,シリンジのサイズ・メーカ・注入速度によって影響を受けることがわかった.
- 日本医療機器学会の論文
- 2003-04-01
著者
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並河 孝次
京都第一赤十字病院 救急部MEセンター
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西端 純司
京都第一赤十字病院 救急部MEセンター
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佐山 友紀
京都第一赤十字病院 救急部MEセンター
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石川 敦
京都第一赤十字病院 救急部MEセンター
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宮下 誠
京都第一赤十字病院 救急部MEセンター
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石川 敦
京都第一赤十字病院meセンター
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佐山 友紀
京都第一赤十字病院meセンター
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西端 純司
京都第一赤十字病院meセンター
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並河 孝次
京都第一赤十字病院meセンター
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宮下 誠
京都第一赤十字病院meセンター