液體と気體との共存する罐内の圧力變動に關する理論と其二三の應用

概要

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蒸気罐或は蒸気貯蔵器等の如く液體と気體との共存する單元二相の罐に於て繰出蒸気量、蒸気の乾き、給水量、給水温度及收熱量等が夫々時間の任意の函數である【場合罐の容積及常時保有水量等を考に入れて罐内の温度と時間との關係を示すべき基礎の微分方程式を作り次に罐内に圧力變動の無いために必要な條件を誘導し種々の圧力調整方式に就て簡單に述べた。次で二三の簡單な場合に就て基礎の式を積分し之を應用して先づ蒸気罐に於て繰出蒸気量、收熱量、給水量及給水温度等が急變した場合に於ける罐内の温度及圧力と時間との關係及變動の速度等の計算法を試み之を種々の場合に就て比較し且保有水量、罐容積の大小及常用圧力の高低等と温度及圧力變動の大きさとの關係を述べた。次で罐を密閉して火を焚く場合或は密閉された罐の冷却等の場合の温度と時間との關係を述べ更に蒸気罐或は蒸気貯藏器等の温度及圧力變動を一定の範園内に保つために必要な保有水量及罐容積決定の一方法を述べ且圧力調整器選擇の方法に就て考へた。
一般社団法人日本機械学会の論文
1931-10-01