空気調速機に就て

概要

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調速機として古くから知られてゐるものは、遠心調速機であり、これに就ては幾多の学者が既に種々に考究して来た所である。空気調速機とは調速原動力として空気の圧力を利用するものであり、その製作が容易で且安價であり、保守が簡單である等の特徴を有する。これがため車輌用ヂーゼル機関に次第に廣く用ひられる様になり、將来は遠心調速機に代つてその位置を占め様とする傾向を有するにも拘らず、これに関する論文の発表されたものは少い。本文はこの未開拓の空気速機に就き、主として車輌用ヂーゼル機関の調速機としての見地からこれを論究したものである。先づ檢討の基礎として車輌用ヂーゼル機関に要求される調速特性に就て述べ、その要件に合致すべく設計され現在廣く使用されてゐる遠心調速機を列挙分類し、それと空気調速機の基本的3型式とを対比して両者の本質的の類似性と相違性とを明らかにした。次に空気調速機の簡單な計算式を出し、筆者の実驗を基礎として現在歐米で廣く使用されてゐるボッシュ・ニューマチックガバナ及び新に當工場で試作したG型空気調速機の特性を檢討した。本論文がヂーゼル機関のみならず、一般機械の調速に対し空気調速機を利用し様とする方面に何等かの寄與する処があれば筆者の幸とする処である。
一般社団法人日本機械学会の論文
1942-02-01

空気調速機に就て

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