鑄鐵製ロールに及ぼす製造状況の影響
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概要
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鑄鐵製ロールは全くの特殊鑄物でその製造法は頗る困難視されてゐるが、之に對する研究の方法が頗る厄介なので、之迄その製造法に就きまとまつて研究發表されたものがない。それで著者は先づ實際のロールに就きその特徴を充分究め、然る後之に對して特別の實験装置と方法を工夫して、最高熔解温度、鑄込温度、鑄型の状況、熱處理其他の影響を研究したが、それによれば作業に差支へぬ限り、チルドロールもサンドロールも熔解と鑄込温度は共に高い方がよく、又前者の金型の厚味は胴直徑の1/3附近が最も有効で、且冷硬促進用としてその金型の材質を銅やアルミニウムに変へても餘り効果のないことがわかつた。又この鑄鐵製ロールに對し從來全く行はれなかつた焼鈍又は焼入等の熱處理、或はその合金化の實施は頗る有望で之等によりその前途は益多望となる。
- 1931-08-01