相異る2つの直径を有する軟鋼丸棒の引張、圧縮及び捩り實験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
第1図の如く平行部ABの中央に直径の小なる部分を有する軟鋼丸棒に於て、兩直径d_0とd_1との比をほゞ一定とし、直径小なる部分の長さl_1を變化せしめ、引張、圧縮及び捩り試験を行ひ、その弾性變形、塑性變形及び破損の模様を考察した。引張試験に於ては、細部を含む標點距離lに就て測定したヤング率は細部及び太部が完全な弾性變形をなすものと假定して計算した値よりは稍小さい値を有する事を知つた。又直径小なる部分に就て算出した引張の強さ、破断の強さ及び延び率は細部の長さl_1とその直径d_1との比が小なる時は通常の値より大なる値を有し、l_1/d_1が大となるに従つて減少して通常の引張試験の結果に近づく事を認めたのでこれ等の値とl_1/d_1との問の関係式を誘導した。又断面収縮率はl_1/d_1が1より大なるものに就てはほゞ一定である事及び降伏點はl_1/d_1の値に依つて著しく變化する事を認めた。圧縮試験に於てはヤング率の變化の傾向は引張試験の場合と同様である事及び彎曲の状態はl_1/d_1の値に依り異る事を認めた。捩り試験に於ては細部を含む標點距離に就て求めた横弾性係數は、細部及び太部が完全に弾性變形をなすものと假定して計算した値と一致する事及び直径小なる部分に就て算出した剪断の降伏内力及び最大剪断内力は細部を有せざる通常の丸棒より求めた値と一致する事を認めた。
- 一般社団法人日本機械学会の論文
- 1934-10-01