WI-38 Cell Lineにおけるβ-アドレナリン性受容体および機能についての基礎的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
βーアドレナリン受容体(β-受容体)とその機能の調節機構について検討する目的でβ-受容体を有するヒト胎児肺fibroblast由来の培養細胞であるWI-38 VA13, subline 2RA (WI-38)を用いて, [^<125>I]-iodohydroxybenzylpindolol (IHYP)によるradio receptor assayでβ-受容体数を測定したところ, 受容体数はBmax=121±17fmol/mg protein, 親和性はKd=62±17pMであった.またcompetitive studyにより受容体はbeta_2-subtypeに属することが明らかになった.WI-38はl-isoproterenol, prostaglandin E_1に対しては用量依存的に細胞内cyclic AMPを上昇させ, β-受容体だけでなくadenylate cyclase systemと連関した prostaglandin E_1受容体も保持していると考えた. 10^<-9>Mのl-isoproterenolでWI-38を3日間処理するとβ-受容体数は半減し, 10^<-4>Mのl-isoproterenolで同じく3日間処理するとl-isoproterenolに対する細胞内cyclic AMPの反応性は低下したが, prestaglandin E_1に対しては反応性の変化は認めなかった.また逆に10^<-5>Mのprostaglanding E_1でWI-38を3日間処理すると, prostaglandin E_1に対しては細胞内cyclic AMPの反応性が低下したが, l-isoproterenolに対しては反応性の変化は認めなかった.つまりWI-38はl-isoproterenol, prostaglandin E_1に対してhomologous desensitizationは示したが, heterologous desensitizationは示さなかった.
- 一般社団法人日本アレルギー学会の論文
- 1986-03-30
著者
関連論文
- 91 β-agonist inhaler吸入前後の動脈血液ガスと呼吸機能の変化
- 155.Wi-38 cell lineにおけるβ-adrenergic receptor assay(気管支喘息:気道過敏性(II)レセプター)
- 291.モルモットの実験的喘息のおけるalpha_1, beta-adrenergicおよびmuscarinic receptorの変動について(気管支喘息:β-受容体)
- 240 マウス, ラットおよびモルモット肺におけるアドレナリン性β受容体数に対する百日咳ワクチン投与の影響について(気管支喘息:病態生理4)
- WI-38 Cell Lineにおけるβ-アドレナリン性受容体および機能についての基礎的研究