腎に於ける抗原抗体反応に関する研究 : 第1編 妊娠ウサギに於ける馬杉腎炎の組織学的変化について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1)抗ウサギ腎モルモット血清を唯1回注射することにより腎にアナフィラキシー・ショックを惹起せしめた.1群では抗血清を妊娠ウサギの左腎動脈より注射し, 他の1群では耳静脈より同じく注射し, その際の腎に於ける組織学的変化を検索した.2)左腎動脈注射群では, 右腎には著変は認められず, 左腎には軽度の変化, 即ち, 糸毬体の貧血と糸毬体毛細血管の拡張が認められた.3)一方, 耳静脈注射群では多彩な所見が観察された.この群に於ける糸毬体の組織学的変化は3型に分類し得る.各型の変化は次の如くである. i)ボウマン氏腔の塩基好性物質, 血管係蹄の癒着, 貧血, 糸毬体の腫大等を伴う変質性の糸毬体変化 ii)メザンギウム細胞の増成, 毛細管の貧血を伴う増殖性の糸毬体変化 iii)軽度の貧血を呈するのみの糸毬体 3)上述の実験結果から, アナフィラキシー反応は妊娠によって増強されることが述べられ, 又, 内分泌臓器の機能が腎炎の発生機転に対してかなり重要な役割を演じているであろうことが示唆される.しかし, 尚, この点に関しては詳細な研究が必要とされる.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1964-12-30
著者
関連論文
- 小児科領域におけるS-1108細粒剤の基礎的・臨床的総合評価
- 8)腎に於ける抗原抗体反応に関する第9報実験的自己免疫性腎炎の組織学的変化(VII 自己免疫疾患と自己免疫現象)
- (27) 腎における抗原抗体反応に関する研究(第12報)(肝腎とアレルギー)
- 27.腎における抗原抗体反応に関する研究(第12報)(肝腎, とアレルギー)
- 腎における抗原抗体反応に関する研究 : 第2編 実験的自己免疫性腎炎の組織学的変化
- 105.抗腎血清腎炎 (ラット) の遷延経過と免疫現象との関係(N. 腎炎に関する研究)(第16回日本アレルギー学会総会)
- 100.脳における抗原抗体反応に関する研究(第二報) : 脳乳剤による逆アナフィラキシー時の組織学的変化について(第16回日本アレルギー学会総会)
- 腎に於ける抗原抗体反応に関する研究 : 第1編 妊娠ウサギに於ける馬杉腎炎の組織学的変化について