気管支喘息多発日の天気図の解析と微細水滴(Fine Mist)仮説提唱による気管支喘息誘発因子の分析
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概要
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1997年, 1998年の気管支喘息発症日と気象諸因子の関係を調査し, 気管支喘息多発日の天気図パターンは, 1)気圧の谷, 2)台風関連, 3)寒気の進入, の3型であり, 多発日の76%がこれに含まれた. この3種の型の気管支喘息誘発メカニズムは, "その時の気象条件にとって過剰な水蒸気が存在する時, 微細な水滴が発生し, その刺激により気管支喘息が誘発される"という仮説("fine mist"仮説)により一元的に説明ができた. 全件の発作発現につき, この仮説を検証すると, 発作発現件数の70.7%は仮説に適合し, 29.3%は非適合であった. 適合群の月別発作発現頻度は季節変動が顕著であり, 水蒸気濃度の変動グラフパターンとほぼ一致した. 非適合群の月別発作発現頻度はほぼ一定で, 水蒸気濃度も同様の傾向をしめした. この結果より気管支喘息の誘発因子は, 微細水滴(fine mist)と, 少なくとももう一つの未知の因子があると推定される.
- 2001-05-30