気管支喘息およびアトピー性皮膚炎患者におけるリンパ球膜流動性についての電子スピン共鳴(ESR)法による検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
電子スピン共鳴(ESR)法によりアレルギー患者のリンパ球膜流動性を測定し, 併せてエピネフリン刺激による変化を検討した. 気管支喘息およびアトピー性皮膚炎患者15名(28.7±9.9歳, 女性10名, 男性5名), および健常成人11名(30.5±4.6歳, 女性2名, 男性9名)から末梢血リンパ球を分離した. リンパ球膜を5-doxyl-stearic acidでスピンラベルし, ESR装置でリンパ球膜表層部の流動性を測定した. また終濃度が10^<-5>, 10^<-4>mol/lのエピネフリンで刺激した後の膜流動性を測定した. アレルギー患者ではリンパ球膜表層部の流動性は健常対照と比べると有意に低下していた. またアレルギー患者および健常成人ともに, エピネフリン刺激によりリンパ球膜流動性は有意に亢進した. しかし, アレルギー患者におけるリンパ球膜流動性の亢進の程度は健常成人と比べると有意に小さかった. リンパ球の膜表面には種々の受容体が存在しており, 膜流動性の変化はその機能に影響を及ぼす. 本研究の結果, アレルギー患者においてリンパ球膜表層部の流動性の低下が明らかになり, リンパ球膜受容体の機能が障害されている可能性が示唆された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 2001-05-30
著者
関連論文
- 313 アレルギー疾患におけるリンパ球膜流動性についての電子スピン共鳴(ESR)法による検討
- 186 エピネフリン刺激によるヒト・リンパ球の膜流動性変化についての電子スピン共鳴(ESR)法による検討
- 427 「卵の耐性獲得前後における卵白特異lgG4の変化」
- 51 成人型アトピー性皮膚炎、気管支喘息に対するホルモン療法の試み
- 437 アトピー性皮膚炎における血清ヒアルロン酸濃度測定の意義 : AD重症度の指標としての検討
- 265 小児アレルギー疾患と生体内糖化反応
- 気管支喘息およびアトピー性皮膚炎患者におけるリンパ球膜流動性についての電子スピン共鳴(ESR)法による検討
- 小児アレルギー疾患と蛋白糖化反:気管支喘と赤血球膜Pentisidine