能動感作モルモットの Platelet-Activating Factor誘発 二相性気道反応に及ぼす Thromboxane A2 受容体拮抗薬, BAY u3405の効果
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概要
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以前我々は, 能動感作モルモットにおいてPAF吸入3〜9時間後にLAR類似の呼吸抵抗 (Rrs)の増加を認め, LARの出現には, 能動感作という priming効果及びPAFが関与している可能性を示唆した. 一方 thromboxane A2 (TXA2)は, PAFによって誘導されることが報告されており, 今回, 我々は, 同モデルにおけるTXA2の関与について特異的TXA2受容体拮抗薬である BAY u3405を用いて検討を行った. 卵白アルブミンで感作したモルモットに BAY u3405投与の1時間後に PAF吸入を行い Rrsを経時的に測定した. また, PAF吸入9時間後の気管組織内における炎症細胞浸潤についても観察を行った. PAF吸入 4〜9時間後において, Rrsの再増加が対照群では全例に認められたが, BAY u3405投与群では有意にRrsの再増加が抑制された. 気管組織の好酸球数, リンパ球数は対照群に比べ BAY u3405投与群では有意な減少を示した. 以上より, PAF によるLARの出現にはTXA2の気道に対する直接作用及び血管透過性冗進による好酸球, リンパ球の組織内浸潤が関与している可能性が示唆された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1995-07-30
著者
-
牧野 荘平
獨協医科大学
-
有馬 雅史
獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科
-
湯川 龍雄
獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科学教室
-
湯川 瀧雄
湯川内科クリニック:獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科
-
福田 健
獨協医科大学
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