喘息患児の病態と尿中ロイコトリエンB_4, C_4濃度との関係
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概要
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喘息患児 (n=12) を炎症症状の有無 (CRP) と臨床的観点から2群に分け, そのおのおのについて, 尿中LTの測定値や末梢血の好中球数をもとに, 喘息発作の誘発原因, 気道の過敏性と尿中LTの測定時期について検討した. 第一群は, 喘息の発作時には発熱や末梢白血球数の増多があり, 中等症以上の喘息発作のため入院を必要としたグループ (n=6) であった. 第2群は炎症がなく軽い喘息発作をきたし外来で処置の可能なグループ (n=6) であった. 喘息発作時の尿中LTB_4値は, 第1群ではU-LTB_4=258.6±88.9ng/mmol Cr.で, 第2群のU-LTB_4=62.2±32.0ng/mmol Cr.より有意に高かった (p<0.01). また, 喘息患児12例のU-LTB_4の測定値と, それに対応する末梢白血球数および末梢好中球数との間には, おのおのr=0.68, r=0.71と正の相関が認められた. 以上の結果から, 第1群のU-LTB_4の高値は感染と関係があり, 感染誘発型の喘息発作と推定された. 一方, 喘息発作時におけるU-LTC_4の排泄値は第1群の中で重篤な喘息発作をきたした2症例のみが高値であった. その他の症例では, いずれも気管支平滑筋の収縮を起こすにいたるLTC_4の測定値は得られなかった. 最後に, U-LTの測定には, 喘息発作後の時間を考慮して, LTの適切な測定時期を決める必要性を述べた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1992-05-30
著者
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