常在菌アレルギーに関する研究 : Clostridium perfringensと肝障害
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概要
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腸内嫌気性菌(Clostridium perfringensのθ毒素がStreptococcus hemolyticus O毒素に生物学的類似の性質を有している事実より, C1.perfringensθ毒素に対する抗体価を諸疾患について調べると腎疾患以外に肝硬変症, 慢性肝炎等にも高値を示すことが知れた.常在菌アレルギー研究の一環としてC1.perfringensが肝障害の成因として関与するか否かを感作実感により確かめた.同菌毒素としてその培養液遠沈上清を用い, 健常離種犬について施行した.1.Clost.毒素長期静注感作例では肝における星細胞の動員, 類線維様膨化を伴う新旧種々の血管炎像および中心性脂肪変性.腎糸球体の膨大がみられた.2.Clost.毒素感作後門脈内惹起注射例で同毒素の肝直接浸襲度を検したが, 肝変化は著明でなく, 腎細尿管の一部に混濁腫脹および同部の拡張が認められた.3.Clost.毒素・同種肝HomogenateをAdjuvant法にて感作後, 同一抗原による門脈内惹起例では肝の著明な周辺性脂肪変性, 類線維膨化を伴う顕著な血管炎像.肝細胞の融解・濃縮修復像と微細な結合織増殖がみられ, 腎糸球体炎様変化及びヘマトキシリン小体様物質の出現, 細尿管上皮の変性が認められた.この様な肝に於ける間質反応にはClost菌代謝産物が免疫学的な機序を介して関与する可能性がある.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1964-09-30
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