ツベルクリン感受性伝達因子に関する研究 : 第2篇 ウサギのAlveolar Macrophages及びその細胞画分並びに血清画分による「ツベルクリン」感受性の受身伝達
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概要
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ツベルクリン感受性の受身伝達は1945年のChaseの報告以来, 一般には生きた細胞を用いてのみ可能であると考えられて来た.著者は第1篇において検討した所謂MyrvikのAlveolar Macrophages(BCG死菌感作後にBCG死菌を静注-Challenge-したウサギの肺臓より採集する)及び同じウサギの血清を用いてウサギにおけるツベルクリン感受性の受身伝達実験を試みた結果, 次の成績を得た.(1)生きたAlveolar Macrophagesの10^9個以上の腹腔内投与によってツベルクリン感受性を受身伝達することが出来た.(2)Alveolar Macrophagesを5回の凍結融解操作により破壊して作製した遠沈画分においては, ミトコンドリア画分に受身伝達能力を認めた.20,000G 90分遠沈後の上清画分は, そのままでは伝達能力を示さなかったが, この画分のセロファンを透しての透析内液は明瞭な伝達能力を発揮した.従って透析外液中には低分子量の受身伝達阻止因子(Inhibitor)が存在すると考えられる.核マイクロゾームには伝達能力はなかった.(3)血清そのままでは伝達能力を示さなかったが, その透析内液は伝達能力を発揮した.従って, 血清中にもInhbitor を推定して得る.(4)伝達された感受性は, いずれも投与後1〜3日目に発現し, 大抵7日以後には消失した.著者の伝達実験成功の理由は, ChallengeによってDonorからTransfer factorが大量に乃至活性度の高い状況で得られたことと.Inhibitorを除いたことにあったと結論したい
- 日本アレルギー学会の論文
- 1964-09-30
著者
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