皮膚受働アナフィラキシー反応について : 特に皮膚科学領域における利用性の検討
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概要
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皮疹磨砕液と患者血清との間のPCA反応は皮膚疾患における自家感作性を証明するのに有用な手段であると思われる.実験計画法に基ずく遷延性PCA反応の標準法を確立し, 二重盲目試験によって乾癬患者及びそれと無関係な他の皮膚疾患々者各13名についてえた成績をそれぞれ要因分析法で評価し, その総合結果を x^2 テストで比較したが, 両者間に有意の差を認めなかった.遷延性PCA反応が真の抗原抗体反応であると考えられない.しかし即時性PCA反応ではSLE及び落屑状皮膚炎患者の陽性率が乾癬患者群より有意に高いことが見出された.更に6例の落屑状皮膚炎患者中1例はその血清と健常皮膚との間で強いPCA反応を示した(皮疹対血清は陰性), この結果は本症例に自己免疫状態の存在することを示唆するものと思われる.落屑状皮膚炎が皮膚の自己免疫病であるという可能性が考察された.0-6を投入, 室温に放置後24時間では本胆汁は沈降反応陽性を示した.5.ウサギの門脈より大腸菌を注入すると, 胆道閉塞ウサギ群に於ては, 正常ウサギ群と異り, 大腸菌が著しく増殖すると共に, 本胆汁は大腸菌免疫ウサギ血清と沈降反応陽性を示した.6.大腸菌は, 胆汁酸 Desoxychol 酸及び glycodesoxychol 酸及びの高濃度下に於ては, 細胞壁の融解, 或は細胞膜の崩壊を来たし, 原形質が次第に逸脱し遂に菌体成分が完全に脱出する像が電子顕微鏡により確認された.7.Schultz-Dale の法により大腸菌経口投与モルモット中高い凝集価を示した摘出胆のうには, 大腸菌体成分によってアナフィラキシーの発来性を示す成績が得られたが, 大腸菌免疫ウサギ血清被働性感作モルモットの摘出胆のうについて検討した結果, 顕著な収縮反応が認められると共に, 同抗原の再添加による脱感作現象も明かに確認された.以上は胆のうの大腸菌体成分を抗原抗体系とするアナフィラギシー乃至アレルギー反応の発来性を示唆するものと思う.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1964-08-30
著者
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