食物アレルギーでの経口 Prausnitz-Kustner 反応
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概要
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食物アレルギーが疑われる小児41名に対し, 母親を被験者として経口 Prausnitz-Kustner (P-K)試験を行った. その結果9名に陽性反応を認めた. 陽性食物抗原の内訳は, 鶏卵, 牛乳, ソバ, 鶏肉, 小豆, 鮭, シイラであった. 陽性反応者のうち7名には, その食物摂取による血管性浮腫や全身性蕁麻疹のアナフィラキシー皮膚反応の既往がある. 他の2名は母乳のみで哺育中の乳児である. このことから経口 P-Kテストは, 食物アナフィラキシーの診断, 予知に有用であることが分った. 食物抗原に対するradioallergosorbent test (RAST)スコア3以上の血清を用いたのべ36例の検査のうち, 26例は陰性であった. 一方RASTスコア0でも2例が陽性反応を呈した. この結果, 経口P-Kテストで陽性になるためにはIgE抗体に加え, その他の液性因子(例えばヒスタミン遊離因子など)が必要であること, および体内で食物が消化吸収される過程で抗原性が変化し, その変性した抗原に対するIgE抗体をRAST法は必ずしも検出していないことの2点が示唆された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1991-06-30
著者
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