U937株化細胞における分化と細胞膜上の活性酸素産生関連蛋白量の関係
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概要
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単球の細胞株である U937細胞は, 活性酸素産生能を有していない. しかし, この細胞は, phorbol ester などの刺激により, 単球に分化するという性質を有している. この分化した U937細胞は, 走化ペプチド刺激により活性酸素を産生した. また, 単球膜表面の活性酸素関連蛋白と反応するモノクローナル抗体TM2を用いて, その膜表面の活性酸素関連蛋白量を調べたところ, 蛋白量は, U937細胞が分化することにより著明な増大がみられた. また, ウエスタンブロッティング法で調べたこのTM2と反応する膜蛋白の分子量は, 未分化および分化 U937細胞の両者の間で, 僅かに違いがみられ, また穎粒球のTM2関連蛋白とも分子量が僅かに異なっていた. 単球が活性酸素産生能を有するためには, 未分化段階で既に存在する膜表面のある特定の蛋白が増加する必要があると思われる.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1991-02-28