ヒトアレルギー鼻粘膜上皮層浸潤細胞の電子顕微鏡観察
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概要
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気道ヘ優入する各種異物とはじめて接触する鼻粘膜上皮層の遊走細胞の分布, 機能を知ることは mucosal immunity の上から大変重要である. 我々がハウスダスト鼻アレルギー鼻粘膜上皮層内の遊走細胞を電顕的観察した結果はリンパ球が最も多く, ついで好酸球, 好塩基細胞, globule leucocyte(GL), 好中球の順であった. アレルギー群と慢性感染性鼻炎群のリンパ球の割合は差がなかったが, 正常者群のリンパ球の割合が両者のそれより有意に高いと認められた. 一方, アレルギー群と非アレルギーの好酸球割合も, 好塩基細胞の割合も有意差が認められた. 特異顆粒をもつ比較的大型特徴的な GL 細胞の形態を通年性アレルギー鼻粘膜上皮層に観察し, その存在意義を検討した. Leu2a, Leu3a+3b monoclonal antibody を用いて酵素抗体法で鼻粘膜上皮層内のリンパ球の subset を電顕レベルで観察し, CD8陽性細胞がCD4陽性細胞より優位であった. それぞれの陽性細胞を形態学的に観察し, 核 - 原形質比で type 1と type 2の二つの type に分けた. しかしサフェスマーカと細胞の形態とは関係なかった.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1991-01-30