同系脾細胞の静注によっておこるリンパ球の活性化とその特異性について
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概要
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Mitomycin C処理したBALB/cマウスの脾細胞を静注された同系マウスの脾臓を, 移入後連日摘出しその脾細胞をin vitroで3日間および6日間培養した.静注群は3日目より^3H-TdR up takeを増し4日目でpeakを示す増殖反応を惹起した.またこの反応は6日間培養より3日間培養の方が大であり, 非静注群や通常のin vitro autologous mixed lymphocyte reaction (aMLR)と異なり, すでにin vivoで活性化されていることが知られた.Hostの脾細胞の中で増殖を示す細胞は, 主としてLyt 1^+ Lyt 2^-細胞であった.一方この細胞を活性化する能力は, ガラス膠着性細胞(SAC)に最も著明であった.このin vivoで活性化したhostの脾細胞から同系SAC monolayerに吸着する細胞を除去すると, 脾細胞のみを培養した際にみられた増殖反応が減弱するのみならず同系細胞に対する増殖反応も低下した.このことは, in vivoで活性化した脾細胞は同系細胞に特異的であることを示唆している.またこのin vivoで活性化された脾細胞は, in vitroで異系細胞より同系細胞に対しより早期にかつより強く反応した.これはこの反応が免疫応答であることを示すものであり, in vivo autologous MLRが生物学的に重要な役割を担っていることを示唆している.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1984-02-28
著者
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