正常人および気管支喘息患者血清中における抗β受容体抗体の再検討

概要

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正常人10名, 気管支喘息患者18名の血清中に, 抗β受容抗体が存在するかを次の2つの方法にて検討した.(1)ヒト胎盤細胞膜と対象血清をpreincubate後, bufferで洗浄し, 5濃度の(±)^<125>I-cyanopindolol(ICYP)と結合させ, Scatchard analysisを行い, 血清とのpreincubationがICYPとβ受容体の結合に与える影響を検討した.血清とpreincubateした場合, ICYPのmaximum binding capacityは, 正常人と喘息患者でそれぞれ, 101±2.2および100±2.0(平均±SE)% of controlであった.dissociation constantは, 108±3.6および100±2.8% of controlであった.すなわち, 血清とのpreincubationは, ほとんど影響を与えていないと考えられた.(2)血清と胎盤細胞膜をpreincubateさせると, ^<125>I-protein Aの結合は増加し, それは正常人および喘息患者でそれぞれ, 7950±376, 7307±400cpmであった.著明に高いcountを示した血清はなかった.以上より, 今回検討した範囲では, 抗β受容体抗体の存在は示唆されなかった.
一般社団法人日本アレルギー学会の論文
1984-01-30