Antigen Pulsed Spleen Cellsの静注で惹起されるIgE抗体産生の抑制 : 特にその即時型トレランスについて
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概要
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in vitroで抗原をパルスした脾細胞を同系マウスの尾静脈に注入すると, その後の免疫によっておこるIgE抗体の産生が強く抑制される.この抑制機作の一つに抑制性細胞の関与しない即時型トレランスが存在することを見出し, その詳細について検討を加え, 次のような結果を得た.(1)即時型トレランスの存在抗原をパルスした脾細胞を静注すると, その1日後という早期に免疫を行ってもIgE抗体産生は強く抑制された.この抑制状態はあらかじめcyclophosphamide(CY)で処置されたマウスにも惹起することが可能であり, リンパ細胞によって同系マウスに移入されないことから, この抑制には抑制性細胞の関与しないことが明らかとなった.(2)即時型トレランスの性質(i)抑制の強さは, 静注するAg pulsed SPCの数, 及びパルスする抗原濃度に依存する.(ii)抑制の強さは, Ag pulsed SPCの注入ルートにより異なり, i.v.>i.p.>s.c.の順である.(iii)抑制は脾細胞にパルスされた抗原に特異的である.(iv)即時型トレランスにおいて抑制される主たる細胞は抗原特異的T細胞である.(v)Ag pulsed SPCの中で最も効果的に即時型トレランスを惹起する細胞は, 抗原をパルスされたT細胞である.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1983-01-30
著者
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