細胞脱感作に関する基礎的研究 : 第1編 細胞脱感作の誘導法, 性状ならびに意義
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概要
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histamineの遊離を指標とした好塩基球の脱感作の誘導法, 性状, 意義について検討した.(1)最適下脱感作の誘導には白血球浮遊液に5分割した最適下濃度のallergenを15分ごとに, 闘値下脱感作の誘導には12分割したものを30分ごとに添加し, 2時間の合間のあとtriggerを加える方法でよい結果が得られた.(2)60分のtime intervalで84%の脱感作率を示し最適下脱感作(allergenを一括添加)の経時的変動をみると, time intervalが10分で25%, 20分で55%, 30分で66%の脱感作率を示した.(3)被脱感作細胞は, triggerに対して用量応答した.(4)被脱感作細胞は, 実験を継続し得た30時間, 脱感作状態を完全に維持した.(5)細胞脱感作の特異性は, cell-bound IgEの数に存在する(少ないときは特異, 多いときは非特異的)と考えられているが, 協力してくれたdonorsの場合非特異的であった.(6)軽微な細胞脱感作現象は、生活環境に存在するallergenの暴露によって自然発生しうる可能性があり, I型アレルギー疾患の症状発現が不連続性を示す理由の1つをそこに求め得ると考えられる.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1981-11-30
著者
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