DSCG(Disodium Cromoglycate)治療とメサコリン過敏性についての検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
国立相模原病院小児科を受診した21名の気管支喘息児に対して, DSCG吸入療法を開始し, 1年間経時的に, メサコリン過敏性試験を行い, 1年前後でIgE値, 好酸球数, 皮内テストを行つた.さらには, DSCGを長期吸入(1-5年)し有効であつた52名, 無効であつた16名, DSCG吸入療法を行つていない非投与児33名についても同様に, メサコリン過敏性試験, IgE値, 好酸球数, 皮内テストを行い, 次の結果を得た.1.DSCG吸入療法を行い経時的に検索した喘息児において, メサコリン過敏性に季節変動あるいは年内変動が多く認められ, 発作頻発期にはメサコリン過敏性の亢進, 逆に発作が稀である時期には過敏性の低下があつた.しかし, DSCG治療開始1年後のメサコリン過敏性は, 治療前と比較すると改善が認められた.2.DSCGが有効であればメサコリン過敏性の減少を認めるものが多く, さらには無発作期間が長いほどメサコリン過敏性の低下が認められる傾向にあつた.3.IgE値, 好酸球数, 皮内テストのおのおのの値は, DSCGが有効であつても変化は認められないようである.またDSCGの有効性を, IgE値, 好酸球数, 皮内テスト, さらにはメサコリン過敏性試験で推測することはできないように思われた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1981-04-30