気管支喘息患者における血清 IgE レベルおよび特異 IgE 抗体価の変動に関する研究
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概要
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40例の喘息施設入院中の HD に過敏性のある(RAST スコアー2以上)気管支喘息患者の血清 IgEレベル, 特異IgE抗体価の変動を研究し, 以下の結果を得た。1) RASTの dose-response 曲線は検体の放射能カウントを総添加放射能で割った%総カウントとIgE抗体価を両対数目盛にあらわすと, 標準血清 D.pteronyssinus で感作された血清では直線となり平行であったが, HD では高い抗体価領域で傾斜が緩くなり, 固相に結合したHD抗原量が不足することが示唆された。2) 春を基準とする血清 IgE レベルは夏に高く, 真菌特異 IgE 抗体価は夏に, D.farinae 特異 IgE 抗体は冬に高く, 季節変動が示唆された。3) HD 減感作群の HD 特異 IgE 抗体は, 非減感作群に比べ一時低下したが持続的な低下傾向はなかった。また臨床経過との関連もなかった。4) HD 減感作群の IgE レベルは, 非減感作群に比べ低下傾向があったが有意ではなく, 持続的低下傾向もなかった。5) HD 減感作により RAST スコアーは不変例が多かったが, 皮膚反応は減弱する傾向で, 皮膚のアルルゲンに対する反応性が低下することが示唆された。
- 日本アレルギー学会の論文
- 1981-02-28
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