免疫複合物によるヒト好酸球特異顆粒の変化 : 電顕的観察
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概要
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好酸球の特異機能を解明するために, 各種免疫複合物に対する好酸球特異顆粒の変化を系統的に電顕的に検討した。好酸球は, IgE, IgG, IgA, IgM, C3, アルブミンの免疫複合物と37℃1時間 incubate した。それらの中で, IgEとIgG, C3 免疫複合物で著明な変化がみられた。形態学的には matrix の疎化, 小管状構造の出現, 空胞化が特徴的であった。この形態学変化は顆粒内容物の放出と関係があると考えられ, 内容物は管状構造の中に pack されており, 内容物が減ずるにつれ管状構造が出現し, 遂には空胞化に至ると推定される。好酸球がIgE複合物に特異的に反応するとすれば好酸球のI型アレルギーにおける機能の解明には好都合であるが, IgG, C3複合物にも granulo-lysis がみられた。好酸球にこの IgG, IgE, C3 のレセプターが存在するなら, この反応の機序を説明できるが, IgG, C3 と異なり, IgEのレセプターの存否には議論があるので, 今後の検討を必要とした。
- 日本アレルギー学会の論文
- 1981-01-30