喘息児と水泳 : 第2編 血清Dopamine-β-Hydroxylase活性, 脈拍, 血圧の変動に関して
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概要
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master two step法(MTS)運動負荷にてEIAを起こす喘息児10名にプールおよび海水での水泳負荷を行い脈拍, 血圧および血清DBHの変動の検討を行った.1) 脈拍の変動:脈拍は各運動負荷で喘息児に有意に上昇を認め, 水泳負荷で高値を示した.2) 血圧の変動:収縮期血圧は各運動負荷で有意の上昇を認め, 水泳負荷で正常児群に優位の上昇を認めた.3) 血清DBH活性の変動:MTS負荷で負荷後5分より喘息児群に有意の低下を認めた.(p<0.1-0.05).短距離, 長距離水泳負荷では両群とも上昇を示したが, 30分後低下傾向を認め, 長距離水泳負荷では喘息児群に有意(p<0.05)に低下を認めた.海水浴水泳負荷では, 負荷後上昇を認め, 2時間後もなお12.6%と上昇を示した.以上より, 喘息児(EIA)では血清DBHの分泌の低下か, 本酵素の不活性化(分解)の亢進の存在がうかがわれ, いずれにしても交感神経系の低下が推察された.繰返す水泳訓練は喘息児にとって, 交感神経系に対して効果的と考えられる.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1979-03-30